あたしの親は××× 前編

×××






   あたしには、今好きな人がいる……多分
   あいつといるのは楽しいし、もっと永く一緒に居たいとも思ってる。
   これって好きってことだよね?
   あっ!

  「はよっ! 道孝!」
   

   あたしははそういいながら手を上げた。
   その彼の名は萩野 道孝ハギノミチタカ という。
   
  「おはよ〜、有希」
   
   有希とはあたしのことで横浪 有希ヨコナミユウキ
   
   あたしは隠してることがある。
   これは隠しておかなきゃならないことで、知られてはいけないこと。
   そう思いながら隣に並ぶ。

  「いつも通り眠そうだねぇ」
   
   いつも道孝は眠そうにしてる。
   次の日に響くのにいつもなにやってんだろ。
   
  「昨日は勉強してたんだよ。めずらしくマジメにな!」
   
   ……今、道隆の口から勉強なんて言葉が出てきた……今日は雨かな?傘持ってきてないのにな。
   
  「今よぉ、変なこと考えなかったか?」
   
   スルドイなぁ、いつもなら突っ込みとかないのに。
   
  「別に、雨が降るかもなんて思ってないよ」
   
   こういっておけば会話はつづくっしょ。
   
  「口にすんなよ! 何思ってたかバレバレじゃねぇか」
   
   ははは!そういってくるのを待ってたのさ。
   
  「だからこそいったんだよ。 じゃなかったら言う意味ないじゃない?」
   
  「む〜」
   
   このままでいい、なにも考えなくていいから。
   いつかバレてしまうけれど、
   
  「なにやってんの? 先にいっちゃうよ?」
   

   もうしばらくこのままで――――この―スタンスで―――。
   

  「あっ!おい!まてよ!」
   

   もう……しばらく……。







   でも……ココロガイタイ







中編